「死刑制度を廃止すべきである」「環境税を導入すべきである」「国会を一院制にすべきである」などの公的な主題について、肯定・否定の立場に分かれ、事前に準備した客観的な証拠資料等に基づいて論理的に議論をすることをディベートと言います。
昨年(2017年)12月10日に開かれた「第17回全日本大学ディベート選手権大会」(主催:全日本ディベート連盟、読売新聞社 協賛:日本テレビ放送網)に、本学クラブ団体Debate Networkの園山幸一さん(法学部3年)、極山大樹さん(法学部2年)、仲宗根海斗さん(法学部2年)で構成された創価大学チームが出場。予選、決勝トーナメントと並み居る強豪を破り、大学日本一の栄冠を手にしました。また、園山さんは優れたスピーチをした学生1名に贈られる「ベストディベーター賞」も受賞しました。
今回は園山さんに、大学日本一までの道のり、ディベートとの出会い、ディベートを通して身につく力など、ディベートにかける思いを語っていただきました。
昨年(2017年)12月10日に開かれた「第17回全日本大学ディベート選手権大会」(主催:全日本ディベート連盟、読売新聞社 協賛:日本テレビ放送網)に、本学クラブ団体Debate Networkの園山幸一さん(法学部3年)、極山大樹さん(法学部2年)、仲宗根海斗さん(法学部2年)で構成された創価大学チームが出場。予選、決勝トーナメントと並み居る強豪を破り、大学日本一の栄冠を手にしました。また、園山さんは優れたスピーチをした学生1名に贈られる「ベストディベーター賞」も受賞しました。
今回は園山さんに、大学日本一までの道のり、ディベートとの出会い、ディベートを通して身につく力など、ディベートにかける思いを語っていただきました。
大学日本一とベストディベーター賞のダブル受賞、おめでとうございます!
ありがとうございます。全国の大学生を対象とした大会で日本一に輝くことができて嬉しいです。今回の大会には、ディベートのスキルを学ぶクラブ「創価大学Debate Network」で共に活動する極山くん、仲宗根くんとチームを組んで出場しました。ディベートは試合でのスピーチも大事ですが、事前の準備が8割と言われており、肯定・否定のそれぞれの立場からの主張を整理し、準備を重ねる中で大会に臨めたことが勝因になったと思います。
また、ベストディベーター賞は優勝チーム以外から選ばれることもありますが、審判の方から「自分たちの側を勝利に導くための理由を論理的に説明していた」との評価を受け、チームを代表して受賞することができました。
また、ベストディベーター賞は優勝チーム以外から選ばれることもありますが、審判の方から「自分たちの側を勝利に導くための理由を論理的に説明していた」との評価を受け、チームを代表して受賞することができました。
決勝トーナメントの様子など、大学日本一までの道のりについて教えてください。
試合は肯定側と否定側に分かれ、各大会のルールに基づいて行われます。今大会は、「肯定側立論6分→否定側質疑3分→否定側立論6分→肯定側質疑3分→否定側反駁(主張や批判に対して論じ返すこと)4分×2回→肯定側反駁4分×2回」の形式で実施されました。なお、試合の途中では、6分の準備時間(タイム)を各チーム申告することができ、1試合あたりのトータル時間は約50分になります。
決勝トーナメントに進むには、前日9日の予選会で上位8チームに入る必要があります。予選では、ランダムに4チームと試合し、その勝ち数と試合内容で評価されたポイントで争われます。創価大学チームは1位で予選を通過し、決勝トーナメントに進出することができました。
翌日の決勝トーナメント初戦は、東京大学・東北大学連合チームとの対戦でした。相手チームには、昨年の優勝者であり、社会人も参加する全日本大会で優勝したこともある選手が出場しており、試合後も正直負けたかと思いましたが、何とか3人の審判のうち2人の票を獲得し、準決勝に勝ち進みました。続く、東京大学Cチームにも、苦戦しながらも3-0で勝利し、決勝の舞台に立つことになりました。
決勝は5人の審判団が判定します。相手は東京大学Aチームで、創価大学チームは否定側の立場で試合に入りました。相手も強敵でしたので、結果発表の瞬間まで勝利の確信はありませんでしたが、5-0の結果で優勝を手にすることができました。勝ったとしても僅差だろうと思っていたので、驚きでした。
決勝トーナメントに進むには、前日9日の予選会で上位8チームに入る必要があります。予選では、ランダムに4チームと試合し、その勝ち数と試合内容で評価されたポイントで争われます。創価大学チームは1位で予選を通過し、決勝トーナメントに進出することができました。
翌日の決勝トーナメント初戦は、東京大学・東北大学連合チームとの対戦でした。相手チームには、昨年の優勝者であり、社会人も参加する全日本大会で優勝したこともある選手が出場しており、試合後も正直負けたかと思いましたが、何とか3人の審判のうち2人の票を獲得し、準決勝に勝ち進みました。続く、東京大学Cチームにも、苦戦しながらも3-0で勝利し、決勝の舞台に立つことになりました。
決勝は5人の審判団が判定します。相手は東京大学Aチームで、創価大学チームは否定側の立場で試合に入りました。相手も強敵でしたので、結果発表の瞬間まで勝利の確信はありませんでしたが、5-0の結果で優勝を手にすることができました。勝ったとしても僅差だろうと思っていたので、驚きでした。
ディベートと大学での学びの関係について教えてください。
現在、法学部で憲法のゼミに所属しています。法学部では、基準に基づき、様々な利害を比較衡量しながら、論理的に検討することが求められるため、ディベートで培った知識やものごとに対する見方が活きていると感じます。特に憲法は、国家の在り方を問う学問でもあるため、ディベートに通ずるところがあると思います。実際に、ゼミでの学習では、その問題について、ディベートを用いて議論を重ね、研究しています。
また、ディベートは、論題が発表されてから調べていくので、そこから学びの関心が広がっていくこともあります。ディベートのテーマには社会的な問題を扱っているものが多いため、準備や調査を通して、現実の問題に目を向け、考えるようになることも珍しくありません。
また、ディベートは、論題が発表されてから調べていくので、そこから学びの関心が広がっていくこともあります。ディベートのテーマには社会的な問題を扱っているものが多いため、準備や調査を通して、現実の問題に目を向け、考えるようになることも珍しくありません。
ディベートとの出会い、印象に残っている出来事はありますか?
小学校5年生の授業で模擬討論を経験し、そのときにディベートを紹介されたのが最初の出会いです。その後、入学した中学校のディベート部で本格的に学びました。入部後、最初の練習試合を通してディベートの楽しさと奥深さを感じ、この分野で誰にも負けない力をつけようと思うようになりました。
印象に残っている出来事は、高校1年生のとき、年齢制限なしの全日本大会に出場し、初戦で完膚なきまでに打ちのめされたことです。相手が、この大会で何連覇もしている実力者ではありましたが、自分の力不足を痛感しました。
この悔しさをバネに、試合に臨む姿勢をあらため、主張をしっかりと根拠づけて主張できるよう、当日まで徹底的に準備するようになりました。また、技術を向上させるため、ディベートが上手い人の試合を観戦することや、試合を重ねて場数を増やすことなどにも取り組みました。
印象に残っている出来事は、高校1年生のとき、年齢制限なしの全日本大会に出場し、初戦で完膚なきまでに打ちのめされたことです。相手が、この大会で何連覇もしている実力者ではありましたが、自分の力不足を痛感しました。
この悔しさをバネに、試合に臨む姿勢をあらため、主張をしっかりと根拠づけて主張できるよう、当日まで徹底的に準備するようになりました。また、技術を向上させるため、ディベートが上手い人の試合を観戦することや、試合を重ねて場数を増やすことなどにも取り組みました。
園山さんが考えるディベートで身につく力を教えてください。
1つ目は、物事を様々な視点から捉える癖がつくことです。ディベートは、肯定・否定の双方の主張を整理するため、自分が正しいと思う立場からだけでなく、反対側の立場や他の角度から疑問を投げかけてみるなど、広い視野から考える習慣がつきます。
2つ目は、情報を検証する力です。ディベートの準備に当たっては、書籍や学術論文など膨大な量の証拠資料に触れるので、自分の頭で考え、情報を吟味し、言いたいことをまとめる力がつきます。また、そのプロセスを通して、世の中に溢れた情報を鵜呑みにせず、真実を見極める力がつくと考えます。
3つ目は、自分で結論を導き出す力です。小さなことでいえば、昼ご飯は何を食べるのかとか、大きなことでは、自分の進路をどうするのかなど、人生は選択の連続であり、その中で人は大なり小なり意思決定をします。ディベートには引き分けがないので、限られた時間や状況の中で判断が求められます。その時点での最適な答えを出し、より良く生きるためのツールとして、ディベートは役立つと感じます。
ディベートの魅力を一言で表すと、「意思決定の訓練」だと思います。
2つ目は、情報を検証する力です。ディベートの準備に当たっては、書籍や学術論文など膨大な量の証拠資料に触れるので、自分の頭で考え、情報を吟味し、言いたいことをまとめる力がつきます。また、そのプロセスを通して、世の中に溢れた情報を鵜呑みにせず、真実を見極める力がつくと考えます。
3つ目は、自分で結論を導き出す力です。小さなことでいえば、昼ご飯は何を食べるのかとか、大きなことでは、自分の進路をどうするのかなど、人生は選択の連続であり、その中で人は大なり小なり意思決定をします。ディベートには引き分けがないので、限られた時間や状況の中で判断が求められます。その時点での最適な答えを出し、より良く生きるためのツールとして、ディベートは役立つと感じます。
ディベートの魅力を一言で表すと、「意思決定の訓練」だと思います。
最後にこれからの将来について教えてください。
大学卒業後も含め、生涯現役の選手としてディベートを続けます。次は、日本ディベート協会が主催する、日本一を決める大会での優勝を目指します。
同時に、教育的な側面からもディベートに貢献していきたいと考えています。具体的には、選手経験を積みながらも、中学の部、高校の部の大会に審判として関わるなど、ディベートを学ぶ人たちのための環境づくりをしていきたいです。
一部では、選手を引退してディベートの現場から離れ、教育に回る人もいるようですが、選手としての感覚が失われ、身についた素養も薄れている状態での指導や、それを黙認することは、育成を阻害するものであり、逆効果です。ディベートは自分の頭で考えることが何よりも大切なので、実践を通して本人に気づきを与えるようなサポートに努めるべきです。
ディベートは何歳になっても力を磨くことができますし、また、そうでなければならないと思っています。これからもずっと取り組み続けます。
同時に、教育的な側面からもディベートに貢献していきたいと考えています。具体的には、選手経験を積みながらも、中学の部、高校の部の大会に審判として関わるなど、ディベートを学ぶ人たちのための環境づくりをしていきたいです。
一部では、選手を引退してディベートの現場から離れ、教育に回る人もいるようですが、選手としての感覚が失われ、身についた素養も薄れている状態での指導や、それを黙認することは、育成を阻害するものであり、逆効果です。ディベートは自分の頭で考えることが何よりも大切なので、実践を通して本人に気づきを与えるようなサポートに努めるべきです。
ディベートは何歳になっても力を磨くことができますし、また、そうでなければならないと思っています。これからもずっと取り組み続けます。
PROFILE:
そのやま こういち Koichi Sonoyama
[好きな言葉]
日本語
[性格]
偏屈
[趣味]
野球観戦
[最近読んだ本]
三島由紀夫『金閣寺』
ページ公開日:2018年01月22日