SDGsの目標達成のために、 社会問題の背景にある価値観を「知る」行動を。
ー 今回のSUNのテーマとなっている「SDGs」は、社会に広く知られつつあります。その背景には、新型コロナウイルス感染症による世界的なパンデミックにより、人が人を思いやる大切さを誰もが実感したためでもあるのではないでしょうか。しかし一方で、紛争や差別、迫害に関する悲しいニュースは途絶えることはありません。そこで今回は、本学の教職大学院で人権教育を研究される山﨑めぐみ准教授に、SDGs時代における人権教育について教えていただきます。
「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「平和と公正をすべての人に」―SDGsが掲げる17の目標を並べてみるだけでも、持続可能な社会の実現には人権に関する深い理解が必要であることが見えてきます。山﨑准教授も、人権について興味・関心を持ち、自ら学び、自分なりの行動を起こすことが大切だと提言します。
「SDGsというと、日本ではまだまだ環境にまつわる話題が多いように感じます。日本に住んでいると人権に関する問題をあまり身近に感じることができず、環境問題が学校教育に取り入れやすいからではないでしょうか。でも、そこから一歩踏み出して、社会―自分の身の回り、そして世界では何が起きているのかを意識してほしいと思います。
例えば、紛争・内紛・差別・迫害は、決して許されないこと、許してはいけないことです。しかし、そのきっかけが、場合によっては『文化を守るため』といった社会的・文化的権利として生じていることもあります。2つの立場を別々の観点から見れば、そこに善悪はなく、それぞれが『正しい』。だからこそ、人権教育という機会を使い、自分の価値観を共有し、相手の価値観を理解する方法を学び、そのうえで、ともに新しい考え方、価値観をつくり出していこうという行動を起こす必要があります」
環境問題も深く掘り下げていくと、環境に対する考え方や態度が文化的背景で異なることが原因となって対策が進まないケースもあります。例えば、経済的基盤が整っていない途上国では生計を立てるために、唯一の資源である自然環境に頼らざるをえない状況があります。それが地球温暖化につながることだと知らず、日々の営みを維持する行動として森林を伐採している人もいるのです。
プラスチックの削減といった身近なことから行動を起こすのは大切なことだが、それと同じぐらい社会課題の背景にある「価値観を理解」するという行動も、重要だということ。創価大学には人権問題やSDGsに取り組む学生団体が数多くあり、そうした学生たちの「知ろう」という行動は持続可能な社会をつくるために欠かせない行動だと山﨑准教授は語ります。
「知ろうとしなければ、その人にとっては問題が存在しないのと同じです。自分の考えや行動は何が基準なのか。他者の考え、行動は何を基準にしているのか。それらを理解しようとする姿勢を持ち、共生のための新しい『第三』の考え、行動を一緒につくり出すことを意識した行動が、私たち一人ひとりに求められています。自分が興味を持てる分野、守りたい人権、あるいはSDGsの目標は何なのかを改めて考え、力を注げるものを見つけて、知って、行動してもらいたいですね」
「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「平和と公正をすべての人に」―SDGsが掲げる17の目標を並べてみるだけでも、持続可能な社会の実現には人権に関する深い理解が必要であることが見えてきます。山﨑准教授も、人権について興味・関心を持ち、自ら学び、自分なりの行動を起こすことが大切だと提言します。
「SDGsというと、日本ではまだまだ環境にまつわる話題が多いように感じます。日本に住んでいると人権に関する問題をあまり身近に感じることができず、環境問題が学校教育に取り入れやすいからではないでしょうか。でも、そこから一歩踏み出して、社会―自分の身の回り、そして世界では何が起きているのかを意識してほしいと思います。
例えば、紛争・内紛・差別・迫害は、決して許されないこと、許してはいけないことです。しかし、そのきっかけが、場合によっては『文化を守るため』といった社会的・文化的権利として生じていることもあります。2つの立場を別々の観点から見れば、そこに善悪はなく、それぞれが『正しい』。だからこそ、人権教育という機会を使い、自分の価値観を共有し、相手の価値観を理解する方法を学び、そのうえで、ともに新しい考え方、価値観をつくり出していこうという行動を起こす必要があります」
環境問題も深く掘り下げていくと、環境に対する考え方や態度が文化的背景で異なることが原因となって対策が進まないケースもあります。例えば、経済的基盤が整っていない途上国では生計を立てるために、唯一の資源である自然環境に頼らざるをえない状況があります。それが地球温暖化につながることだと知らず、日々の営みを維持する行動として森林を伐採している人もいるのです。
プラスチックの削減といった身近なことから行動を起こすのは大切なことだが、それと同じぐらい社会課題の背景にある「価値観を理解」するという行動も、重要だということ。創価大学には人権問題やSDGsに取り組む学生団体が数多くあり、そうした学生たちの「知ろう」という行動は持続可能な社会をつくるために欠かせない行動だと山﨑准教授は語ります。
「知ろうとしなければ、その人にとっては問題が存在しないのと同じです。自分の考えや行動は何が基準なのか。他者の考え、行動は何を基準にしているのか。それらを理解しようとする姿勢を持ち、共生のための新しい『第三』の考え、行動を一緒につくり出すことを意識した行動が、私たち一人ひとりに求められています。自分が興味を持てる分野、守りたい人権、あるいはSDGsの目標は何なのかを改めて考え、力を注げるものを見つけて、知って、行動してもらいたいですね」
教員情報
ページ公開日:2021年10月08日