学長ヴィジョン

2022年度の学長ヴィジョンを公表します。
前文
 本学は昨年度、大学・短期大学基準協会による第3期認証評価を受け、「適格」との認定を得ることができた。その中でも「特に優れた取り組み」として9点に渡り、認定されたことは、これまでの本学の「教育の質保証」と主体的な「改革・改善」への高い評価ということができる。さらなる自己点検・評価活動を実施し、より質の高い教育を目指していきたい。

 本年度は、開学40周年に向けて掲げた「短大中期計画」の2年目に入る。さらなる飛躍の年として教職学一体で取り組んでいく。この中期計画では「女性(あなた)が輝く未来を拓く」とのテーマを掲げ、2年間の学びを通して、ひとりひとりが自分らしく輝く土台を作り、自身の未来を拓くことができる教育に取り組んでいく。そして、女性が輝く社会を拓く人材を輩出していく。

 昨年度より「輝く女性育成」と「SDGs」の推進という二つの柱を軸として取り組みを開始した。「輝く女性育成」の推進では、女性の生き方をテーマとした企画セミナーやワークショップ・勉強会などを開催した。 また、 「SDGs」の推進では、授業やゼミナールでの学びをもとに様々な学生提案が生まれた。特に「生理の貧困」については、関東の女子大では初めて生理用品の無料ディスペンサーを設置し、学生主体の挑戦の一歩を記すことができた。
 英語能力の向上を目指すE-Swans(英語特別プログラム)では目標のTOEIC730を突破する学生も増加し、実績を残すことができた。資格取得においてもビジネス特設クラスを中心に上級資格も数多く取得し、協会より団体・個人でも優秀賞を受賞するなど、確実に教育成果を上げることができている。

 また、学生の活躍という点でも、大学コンソーシアム八王子主催の「学生発表会」に向けて、ポスターデザインで最優秀賞に採択され、八王子市内各所に掲示された。学生発表会では、7チームが賞を受賞するなど地域貢献へ活躍。「八王子学生CMコンテスト」では、審査員賞に輝き、学生の感性が高く評価された。その他、各種コンテストへ挑戦し、「社会人基礎力育成グランプリ」では、地区予選大会で最優秀賞を獲得し、全国決勝大会では「基礎力大賞」を受賞。2年連続3度目の日本一の栄冠に輝くことができた。
 コロナ禍にあっても逞しく挑戦する本学学生の成長の姿を強く感じることができた。

 本年4月から確かな実力を身につけ社会で輝く女性を育成するための新たなカリキュラムがスタートする。昨年度の実績の上に、さらなる飛躍を遂げるために、中期計画で掲げた「教育・研究」、「学生支援」、「入試・広報」、「進路・就職」の4つの柱と、それらを支える「経営基盤」の構築をもとに、取り組みを進めていきたい。 
 コロナ禍という未曽有の状況が続いているが、今後も最大の注意を払い、創立者池田大作先生の示された建学の指針に適う「創価の女性教育の城」を目指して、どこまでも学生第一で、教職員一同、力を合わせて取り組む決意である。
1.教育・研究
 社会で輝く女性の育成を目指した教育内容・制度の充実のために、以下の4点について、さらなる改革を進める。
 中期計画に定め、昨年度より取り組んできた「輝く女性育成」と「SDGs」の二つの推進軸を、さらに発展させ、全学をあげて推進する。

(1)カリキュラム改革
 昨年度の改革で、新カリキュラムが決定し、本年4月より実施の段階に入る。教養科目については、グローバル社会における女性のエンパワーメントを目指した科目群と位置づけ、授業内容の改変や新たな科目を設けている。具体的には、ライフデザイン科目群と地球市民科目群を設け、ライフデザイン科目群には女性としての生き方・働き方を学ぶ「女性のためのライフプランニング」、「ワークライフバランス入門」、地球市民科目群にはSDGsやグローバル社会の動向を学ぶ「SDGsと経済社会」、「発展途上国の政治と経済」などを新設した。
 専門科目については、多彩な進路(就職・進学・留学・編入学等)に合わせ、従来のカリキュラムを発展させ、さらに4つの科目群の中に選択必修科目を設けて、集中的に専門知識を身につけることができるようにした。また「FP初級・中級」「税と社会保障」など、社会のニーズを踏まえた科目を新たに設けている。
 本年度は、新カリキュラムに基づく授業実施を着実に進め、教育内容の定着をはかりたい。また、進路に応じて効果的に学べるよう、履修モデルを整理していきたい。
 また、「輝く女性育成」と「SDGs」の二つの推進については、課外でのセミナーやワークショップなども実施し、さらなる充実を図っていく。

(2)海外語学研修と資格取得教育の充実 
 まず、海外語学研修については、昨年度、フィリピン・ミリアムカレッジ語学研修とオタゴ大学語学研修はオンラインで実施することができた。本年度は、状況によってオンラインも活用し、SUA短期留学プログラムを含めて、現地での開催を進める。
 さらに実りのある研修にするため、英語力の向上に加えて、国際ビジネス学科の専門的な学びとの連動性を確保できるようにしたい。海外語学研修の前後で履修すべき科目を明確にし、連動した学びの仕組みを整理し、英語力をさらに身につけることができるようにしていきたい。また、SUA短期留学プログラムの授業内容等の改変、充実などを目指していく。
 次に、資格取得教育の充実については、授業科目として、ファイナンシャルプランナーに関する科目を設けた。土曜講座とも連携して、さらなる資格取得の推進を図っていく。
 また、TOEIC、MOSなど学習成果を測る指標としての資格取得の推進を検討していく。また、例えば、ホテル、ブライダル、医療事務など社会のニーズに合わせた資格講座の充実を目指して新たな資格の導入を検討する。

(3)教育制度の改革
 本年度は、クォーター制の導入、授業時間の見直し(100分制)など、集中的に学び、教育効果を上げる環境整備の検討に着手する。

(4)教員の研究力の向上
 昨年度は、研究活動ハンドブックの作成、研究費不正使用防止計画を制定した。本年度は教員の研究活動の活性化をはかり、研究環境の整備と外部研究資金獲得への挑戦を進めていく。また、教育・研究業績を評価する仕組みの整備、研究費の傾斜配分について検討する。
2.学生支援
豊かな教養を身につけ、充実した学生生活を送るための支援の拡充を進める。具体的には以下の3点となる。

(1)SLS(スチューデント・ライフ・サポート) セミナーの充実
 課外で実施している「SLS(スチューデント・ライフ・サポート)セミナー」について、本年度は、さらに内容等を充実させ、多くの短大生が豊かな教養を身につけられるように実施していく。例年開催の内容に加え、「輝く女性育成推進企画セミナー」と共催して、短大生だけでなく、短大卒業生・東西の創価学園女子生徒にもオンライン等を利用して参加できる機会を提供していきたい。

(2)寮生活支援
 充実した寮生活が送れるように寮生ひとりひとりの支援を充実させ、教職員による寮生活アドバイザー制度の試行実施を検討してきたが、本年度は、コロナ禍の状況を見つつ、具体的に実施できるようにしていきたい。

(3)障害学生の支援体制の整備とサポート
 本年度は、新たに制定した「創価女子短期大学障害学生支援規定」、「創価女子短期大学障害学生支援室管理運営規程」に基づき「障害学生支援室」を開室する。障害を持つ学生の修学および学生生活についての相談、授業における合理的配慮の申請を受け付けるなど、支援をさらに整備・充実させていく。
3.入試・広報
 首都圏の大学や短大を巡る受験者の減少は顕著なものとなってきている。本学にとって多様な学力や高い意欲を持った人材の獲得は最重要の課題である。本年度は受験者の増加に全力をあげて取り組んでいきたい。
 従来の入試制度を分析し、入試制度の見直しおよび改善を図ってきた。特に本年度、新たに導入した同窓生(子女を含む)推薦入試制度を広く周知し、実施していきたい。この2年、変更してきた入試制度の定着を図っていきたい。
 入試広報については、ホームページをさらに充実させ、発信できるコンテンツを増やしていく。ソーシャルメディア等のさらなる活用など、情報の発信力を高め、本学の情報が受験者、卒業生にいきわたるよう取り組んでいきたい。オープンキャンパスの充実、日常的な受験相談に対応できる体制の整備を進めていく。また、各分野で活躍する卒業生特集小冊子(MY STORY)を発刊し、その活用をはかりたい。
4.進路・就職
 地域・社会の各分野で活躍する人材を育むためのキャリア支援の充実を目指す。具体的には、インターンシップの推進、地方Uターン支援の強化、他大学への編入学の支援に取り組んでいく。
 本年度はインターンシップに参加する学生の増加をはかり、就職活動、進路決定が円滑に進む仕組みついて検討する。地方Uターン支援については、地方の就職先企業の情報収集と開拓をさらに進める。また、他大学への編入学の支援として論文や面接対策をさらに充実させていく。
 

過去の学長ヴィジョン